メタンプルーム資源化の検証

メタンプルームの湧出量、収益、EPRを計算した結果、資源にはなり得ないことが判った。

青山繁晴議員は科学や国会を冒涜した虚言を謝罪し、メタンプルームの資源化を止めるべき。

目的

青山繁晴議員国会でメタンプルームの優先開発を提案している。その根拠となる湧出量、収益、EPR*の予測値は九州大学が算出しているが、この際に利用した青山千春博士のデータ(プルーム1本あたりのメタン量)に重大な誤りがあることが判明した。そこで、正しい値で再計算すると共に、類似の研究を行っている北見工業大学のデータや独自の計算結果、さらには千春博士自身の最新実験結果も加え、プルーム資源化の妥当性を検証する。

*) EPR(エネルギー収支比)

 回収したエネルギー/回収に必要なエネルギー、1未満は資源になり得ない。

*)共同研究

 青山繁晴議員と千春博士は夫婦、千春博士と九大は本研究を経産省から共同受注。

 

 

メタンプルーム概要
メタンプルーム概要

千春(誤)

メタンのモル数を質量に換算する際に計算ミス?

 

計量魚群探知機によるメタンプルームの観測とメタン運搬量の見積もり (青山千春2009)

「単位体積中のバブルの数は 2.6 個」

「海底での観察に基づき,メタンプルームの広が りを直径 2 m と推定」 

「②半分がガス,半分がハイドレートと仮定すると,…1 日では 15 × 24 = 360mol,1 年間では 131400 mol となり,これは 3 ×10⁹ グラムである。」

「自然現象のプルームの 1 年間の湧出量を 試算し, 

 • 半分がガス,半分がハイドレートと仮定し た場合,3 × 10⁹ グラム(= 131400 mol )」

  • (誤)131400mol x 16.04g/mol = 3 × 10⁹ g(3,000トン)(= 4,200,000m³)
  • (正)131400mol x 16.04g/mol = 2107656g(2.1トン)    (= 2,943m³)

 

■考察

「単位体積中のバブルの数は 2.6 個」は過小、湧出量「3,000トン」は過大

  1. ビデオ画像を見て2.6個を少ないとは思わないのか?独自のような最終確認をしないのか?
  2. 計量魚群探知機による湧出量が意外に小さかったので、molから質量に変換時に捏造か?
  3. そもそも、計量魚群探知機で水深900m、直径5mmの疎らな気泡を計量できるのか?

国会

九大(誤)

千春(誤)3,000トンから全ての指標(湧出量、収益、EPR等)を計算

  

参議院資源エネルギー調査会 九州大学 渡邊裕章准教授 2019.2.27 議事録 (青山議員出席)

「先行研究によって、湧出量がメタンプルーム一つ当たり年間三千トン、大体四百二十万立方メートルである」

「直径二十メーターのものを用意いたしまして、その膜構造物を一から五基、一つ当たりの膜が一個から十個ぐらいのメタンプルームをカバー」

「プルームの数に比例いたしましてEPRという値は増加。検討範囲のEPRの最大値は二八・五、最小値は〇・六」

「この投入エネルギー、内訳を見てまいりますと、最も大きいのは運用エネルギーでありまして、その中でも輸送エネルギー、すなわち洋上設備の運転エネルギーが最もエネルギーが掛かる」

「上越沖エリアだけでプルーム四十本、市場価格にして三十七億円程度」


九大(誤)まとめ

 プルーム

九大(誤) 備考

湧出量(m³、1本)

4,200,000

 千春(誤)3,000トンより

収益(円、40本)

37億

 湧出量(誤)より

EPR(最大)

28.5  湧出量(誤)より

  • 1捕集膜での湧出口数 1~10 (計算条件)

 ■考察

  1. 千春論文のmol数から直接体積(九大正)を計算せず、わざわざ「質量(誤)→mol(誤)→体積(誤)」したのは何故か?
  2. 千春博士の捕集実験データ(実験、2017)を利用しないのは何故か?
  3. 北見工大の結果(北見工大)と比べ異常値だと気づかないのは何故か?
  4. これら不自然なデータの引用は千春博士の指示によるものではないか?

繁晴(嘘)

 「メタンプルームはEPRが100の優れた資源、その証拠に各国で研究されている。日本で進まないのはエネ庁の妨害の為」(全て嘘)

九大(誤)のEPR「0.6~28.5」のわずか3週間後、繁晴「九大によれば80~100以上」

 

虚言

参議院経済産業委員会 青山繁晴議員 2019.3.20 議事録

青山「原子力のEPRは大体四〇前後ぐらいでしたよね。太陽ですと五とか一〇ぐらいですけれども。これがメタンプルームだと、九州大学の研究によれば、少なくとも八〇以上、いや一〇〇を超えるという見通しもあって」【九大がEPRは100(嘘)】

青山「実物を海の底から取り出してきまして、それはコンビニで皆さんが買うところのシャーベットにそっくりです。」シャーべット状(嘘)

青山「私たちの成果も存分に取り入れた中国の学者による論文が発表され、さらに、アメリカですとノースカロライナ…ドイツでいいますと、今話題の北極海にスピッツベルゲン」各国で研究嘘)

青山「もう一つ大きな問題は、…何と産総研から、メタンプルームの話はしないでほしいということが実質的に示唆されたと。…随分たくさんの研究者から直接聞き取りで聞いておりまして…」【エネ庁が圧力(嘘)】

世耕「エネ庁の方からこのメタンプルームを調査対象に含めないようにというプレッシャーがあったということでありますけれども、これ、当時の担当者にも確認をしましたけれども、そういう指示が出ているということは確認できなかった。逆に…」

EPR虚言歴

全て九大の計算値として公言

 7.千春博士が保守さん宅に警察を派遣(2019)

 


再計算

各種方法でメタンプルームの湧出量を計算

計算条件

論文入手不可の為、九大の国会説明より計算条件を推定

 

「メタンプルーム」の定義が曖昧なため想像図
「メタンプルーム」の定義が曖昧なため想像図
九大「直径二十メーターのものを用意いたしまして、その膜構造物を一から五基、一つ当たりの膜が一個から十個ぐらいのメタンプルームをカバー」
  • 直径20mで「プルーム」が10個?
  • 「プルーム」は画像上のプルームではなく「湧出口」(メタンシープの濃集帯)か?
プルーム捕集膜(直径20m)
プルーム捕集膜(直径20m)

 

 

■1ブルーム内の湧出口数の検討

直径20mの捕集膜での湧出口数が1~10(平均5)、ブルームの直径を40m(膜の面積4倍)とすれば

  湧出口数=5カ所ⅹ4=20カ所

 

 

計算条件まとめ

  • プルームは径40m、湧出口は20カ所、捕集膜は径20m
  • 1湧出口の気泡は毎秒20個、径5mmのハイドレート(独自)
  • 1湧出口のメタン量は漏斗10個分(実験)
  • メタン: 16.04g/mol、22.4L/mol 、ガスとハイドレートの体積比は164
  • 1年は31536000秒

九大(正)

千春(誤)のmol数(正)から

 

計量魚群探知機によるメタンプルームの観測とメタン運搬量の見積もり (青山千春2009)

「自然現象のプルームの 1 年間の湧出量を 試算し, 

 • 半分がガス,半分がハイドレートと仮定し た場合,3 × 10⁹ グラム(= 131400 mol )」

  • 湧出量=131400mol/年 x 22.4L/mol =2943m³ /年(論文のプルームを文字どおり画像上のプルームとした場合)
  • 湧出量’=131400mol/年 x 22.4L/mol  x 20カ所=58860m³ /年 (論文のプルームを湧出口とした場合)

独自

松本論文と「計算条件」から

 

 日本海東縁におけるガスハイドレート鉱床の 集積と崩壊 (松本2008)

「一カ所からのフラックスは径 5mm ほどのメタン気泡を毎秒 10-30 個放出する程度である。」

 

プルーム内に20カ所の湧出口、そこから径5mm(0.523ml)の気泡(ハイドレート)が毎秒20個(10-30の平均) 出るとすると。

  • 湧出量=0.523ml x 20個/秒 x 20カ所 x 164 =34,309ml/秒=108,196m³/年

北見工大

オホーツク海のメタンプルーム調査結果から

 

オホーツク海網走沖のガス湧出域におけるROV調査と湧出ガス量の見積 もり(北見工業大学 日本地球惑星科学連合2018年大会)

「200×100mの範囲内に、20か所程度のガス湧出地点が確認され,各地点での湧出口は1か所の場 合や複数の湧出口が密集している場合などさまざま」

「5m程度の湧出口密集範囲での1年間の湧出量は170,000m³程度と算定され、ガス価に換算すると400万円程度」

「全体での湧出量は1,000,000m³,ガス価で2500万円程度」

 

 「ガス噴出地点」を1プルームとすると、20カ所で湧出量1,000,000m³であるからその平均は、

  • 湧出量=1,000,000m³ / 年÷20カ所=50,000m³/年

実験

 千春博士の捕集実験データから

  

The phase transition of methane caused by pressure change during its seeping up from seepage, revealed by video observation and acoustic reflection data(青山千春2017@AGU)

Therefore, it can be determined that those particles are in the solid state, immediately above seafloor. To measure the amount of plumes seeping from gushing points funnel-shaped instruments with 20cm diameter opening were used to collect methane plumes in this sea area. This was performed in three different gushing points.

As a result, 300ml of methane plume was collected in 643 seconds. Assuming that gushing points exist evenly in the sea area, the annual amount of methane gas seeping from these points will be 7.7×10⁵m³/per m².

 Result shows a large quantity of methane seeping from seafloor into the water. 

「径20cmの漏斗でメタンの固体(ハイドレート)を643秒で300ml 回収した(0.4665ml/秒)」 

 

プルーム内に20カ所の湧出口、各湧出口から漏斗10個分の気泡が出るとすると。

  • 湧出量=0.4665ml /秒・個 x 10個  x 20カ所 x 164 =15,301ml/秒=48,254m³/年

 

■考察

湧出密集地点を狙ってわずか20cmの漏斗で得られたデータをm²換算し、湧出量が多いように結論付けるのは悪質な印象操作。

ちなみに、この実験結果に九大条件(湧出口考慮、直径40mプルーム)を適用すると1プルームのメタン量は1/200(200倍誇張)。

  • 九大:10個  x 20カ所 で漏斗200個分
  • 千春:(40m/20cm)²で漏斗40,000個分

さらに、海洋全体におけるプルームの存在比率を考慮しなければ地球環境への影響は議論できない。

実験1

 千春博士の捕集実験データから(検証論文)

  

明治大学 ガスハイドレート研究所
明治大学 ガスハイドレート研究所

 

■年間湧出量の計算

(誤)2000~4000トン

(正)1.6~2.6トン

■捕集実験による結果

 1~9トン


1プルームのメタン5トン(1~9トンの平均)は6983m³ (5,000,000/16.04gx22.4L)

  • 湧出量=6983m³ /年(論文のプルームを文字どおり画像上のプルームとした場合)
  • 湧出量’=6983m³ x 20カ所=139660m³ /年 (論文のプルームを湧出口とした場合)

まとめ

計算結果

湧出量から収益、EPRを比例計算、九大(誤)は九大(正)の1427倍、その他は16~36倍に収まり正常値か

 

プルーム 単位 九大(誤) 独自 北見工大 実験 実験1’ 実験1 九大(正’) 九大(正)

湧出量

m³/年・1本

4,200,000

108,196 50,000 48,254 139660 6983 58,860 2,943

湧出量

1427

36 17 16 47 2 20 1

収益

円/年・40本

37億

9,532万 4,405万 4,250万 12303万 615万 5180万 259万

収益

円/年・1本

9250万

238万 110万 106万 306万 15万 120万 6万

EPR

最大

28.5 0.74 0.34 0.32 0.95 0.05 0.4 0.02

備考

  1. 九大(誤)以外の収益、EPRは湧出量から単純比例計算
    一般に、非線形(非比例)の場合、数が減れば収益、収支はさらに悪化。
  2. 収益 
     収益=湧出量x単価。湧出量は原始資源量(存在量)であり、可採埋蔵量(回収率考慮)はさらに小。
  3. EPR(計算式の詳細不明のため参考値) 
    一般に、EPR=Eout/EinでEinは一定ではないので湧出量に単純比例ではないが、九大「プルームの数に比例いたしましてEPRという値は増加」より、EPR∝プルーム数∝湧出量とした。EPRはシステムの違い(液化orパイプライン輸送等)により特性や値が大幅に変化するが、EPR最大と思われるパイプラインでは液化投入エネルギーを必要としない為、九大のモデルでは大きな誤差はないと考える。

考察

メタンプルームは湧出量が圧倒的に少なく、回収技術が進んでも商業化の見込みはない

プルームの商業化はエネルギーと金を海に捨てるようなもの

  1. メタンプルームは湧出量が圧倒的に少なく、回収技術が進んでも商業化の見込みはない。
  2. 九大(正)ではプルーム一本のメタン湧出量が2943m³で一般家庭における都市ガスの消費量を年間約340m³とすると、わずか9軒分。上越沖全体40本でも360軒分、年間収益はわずか259万円で作業員1人の人件費にもならない。
  3. 九大(誤)、(正)は共に異常値、その他はオーダーは一致しており正常値か。その内で最大の独自でも年間収益は1億円以下(回収費用は20億円以上?)で採算は合わず、EPRは1未満で資源ではない。
  4. 九大は最新の実験や北見工大のデータを見れば誤りに気付くハズ。わざわざ10年前の異常データを参照するのは何故か?
  5. 青山議員はプルームの資源量を千春博士の論文より5000倍多く説明し(資源量=湧出量∝EPR:100/0.02倍)、政府に予算を要求。

結論

プルームは資源ではない、青山繁晴・千春、九大は事実を明らかにして訂正、謝罪を

 


  1. メタンプルームの湧出量、収益、EPRを計算した結果、資源にはなり得ないことが判った。
  2. 青山千春博士は計算ミスの理由を明確にし、正式に論文を訂正すべき。
  3. 九州大学は計算ミス値を参照した理由を明確にし、正しい値で再計算すべき。
  4. 青山繁晴議員は九州大学の再計算結果を国会に報告した上で、科学や国会を冒涜した虚言を謝罪し、メタンプルームの資源化推進を止めるべき。

付録

青山繁晴・千春主張
青山繁晴・千春主張
青山繁晴・千春批判
青山繁晴・千春批判
青山繁晴・千春虚言
青山繁晴・千春虚言